総務省のテレワークセキュリティ実態調査データから考えるテレワークの機能

SCROLL

事例と現場から学ぶ気付き

著:菱沼 佑香氏

第02回 2020.11.11 / 最終更新:2020.11.11

総務省のテレワークセキュリティ実態調査データから考えるテレワークの機能

こんにちは、菱沼です。

1012日、総務省から「テレワークセキュリティに係る実態調査(1次実態調査)報告書」が公開されました。

今回はこの報告書をもとにテレワークについて改めて考えてみたいと思います。

ちなみに、この報告書のデータは2020729日~824日の間に回収されたデータです。

 

■テレワークを推進したかった政府、実際どれほどの企業がやっていた?

このコロナ禍によらず、もともと政府はテレワークを推進していました。特に東京オリンピックが決まったあたりからは交通混雑の緩和を狙ってより力を入れており、テレワーク・デイズなどの活動をしていました。これ自体は、年々参加する企業も増えてきてはいたのですが、実施期間が短く、数か月に渡って行われた事はありませんでした。(参加企業が全社員で実施していたかは不明です。)

 

もともとテレワークを導入していたか、この活動に参加していた企業であれば、テレワークの要領はわかっていたと思いますが、恐らくほとんどの企業が今回のコロナで唐突にテレワークをすることになり、環境が整っていない状況でのスタートだったと思います。また、業種や職種によってはテレワークができないということもあったと思います。

実際のところ、どの程度取り組まれていたのでしょうか。

 

これは業種別に、コロナ以前・後、今後でどう対応しているかを表しており、業界ごとの導入状況で言えば、大体イメージ通りの導入率かなという感じがします。

コロナ以前から導入している所はやはり少ないようですが、テレワークへの適応がしやすいイメージのある情報通信業でも25%です。コロナ禍で61%に導入され、今後の部分で後ろ向きな回答が10%未満なあたり、やはり業種的に適応はしやすかったたようです。

それ以外の職種に関してはどうしても現地で作業する必要があるものや、対面でやり取りをしなくてはならないものが多い印象ですので、そこまでテレワークに積極的になれない(というかできない)という感じでしょうか。これには大体イメージ通りだなという印象と感じる人は多いと思います。

 

■テレワークしない理由は「コミュニケーション」、「セキュリティ」、「業務上必要な機能不足」

では次に、コロナ終息後、テレワークを活用しない理由です。

 

これを見て思うことは、それぞれの問題は、「職種」、「制度(人事・社内ルール)」、「リソース(人・モノ・金)」、「機能・ツール」に分類できるかなということでした。

 

職種的な問題は置いておくとして、制度的な問題については、問題点の洗い出しと検討が必要になる上、企業ごとに状況が違うことを考えれば一概に言える問題ではありません。また、リソースの分配は企業の優先順位にもよりますし、使いたい機能によってコストもまた変わります。そのためこの3点はここでは取り上げません。

 

ではここで取り上げるとすれば、機能・ツール問題です。

グラフからは、「業務上必要な機能」、「コミュニケーション」、「セキュリティ」に細分化できそうです。

 

■テレワークで求められる機能は何があればいい?

例えば、グラフでは文書の電子化が挙げられています。押印もそうですが、そのために出社するという話がニュースに出ていましたね。

押印の必要性は検討され始めたばかりですが、文書の電子化を進めている企業もまた、ほとんどないのではないでしょうか。特に、経理系の書類は国の制度で縛りがあるため、たまにしか見ない書類を利便性のためにリソースを掛けて「よし電子化やるぞ!」と言う感じになる可能性はほぼないと思います。他を優先しますよね。そういった、機能や制度がなくて不便な業務は他にもあると思います。

 

ではテレワークにおいて、どのような機能があれば十分と考えられるのでしょうか?

次のグラフは総務省の報告書内にあった、テレワークで行っている業務・実施方法の現在と今後の希望が示された2つのグラフを複合したものです。(このままのグラフは報告書内にはありません。)

 

メール、Web会議、スケジューラ、ファイルサーバ(社外から社内にアクセスできる環境)、チャット、ポータル、ワークフローと、通常業務で使うものがテレワークでそのまま利用されています。これらの機能が外から過不足なく充分に利用ができれば一般社員が業務を行う上では不便はなさそうです。

 

外から社内につなぐ際、遅いと感じることがよくあるので、使うツールはなるべく軽量化されているか、使いやすい状態でまとまっていて欲しいと思ったことがあります。例えば一つのアプリで認証を済ませたり、そこから他のアプリへ簡単にたどり着けたりできると便利ですね。

 

■テレワーク中のコミュニケーションはどうやってとるのか。

次にコミュニケーション問題ですが、直前のグラフで分かる通り、コミュニケーションに利用されるツールはメール、Web会議ツール、チャットを利用しているようです。

私自身は5年ほどテレワーカーとして仕事をしており、必要に応じて複数のコミュニケーションツール、訪問、Web会議ツールを使ってコミュニケーションを取っています。メールは使いますが、ほとんど利用していません。

 

ところで、会社を辞めて縁あってテレワーカーとなった時に、会社勤めと違うなと思ったことのひとつに、コミュニケーションが最低限になったことが挙げられます。これは個人的にも業務内容的にも、私にとって問題になるものではなかったため気にしてはいなかったのですが、社会生活を行う上で、情報収集に問題が出ることも確かです。

 

では実際、みんなどのように感じているのか。総務省のデータではなく民間の調査ですが、テレワーク中に雑談ができないことで感じた不安についてのアンケート結果がありました。

 

引用:テレワークで雑談が減るのは「仕事で困る」と約75%が回答 |MONOist

 

私の場合、テレワークの制度が整っている(成果の出し方などを含めた取り決めがある)ことと、ほぼ一人で完結ができるという前提があるため問題を感じたことはありませんが、もしそうでなければ、ここに挙げられている不安を感じていた可能性はあります。

 

テレワーク中は、相手と顔を突き合わせることがなく、文字情報でのやりとりが中心になります。個人的には文字情報として仕事の依頼が残るので、後から詳細を確認しやすいですし、相手との齟齬が生まれにくいので、問題には感じていませんでした。が、確かに文字では相手の感情が上手く読み取れませんし、誤解を生まないために口頭より丁寧に説明することがあります。

 

また、現場にいることで会話をせずとも得られる情報が収集できないという問題もあるのだろうと考えられますが、この解決には工夫が必要になりそうです。気軽に利用できるチャットをうまく利用できれば解決に近づきそうだなとは思います。

 

■テレワーク中のセキュリティ問題

次にセキュリティ問題です。

これまでは会社内で業務を完結するという前提でセキュリティが施されていましたが、クラウドサービスの利用が進んでいること、またテレワーク実施などの理由から、会社のネットワークの外に情報が存在することが増えました。そのため、セキュリティの在り方を変える必要があると言われています。

 

特に最近では中小企業のセキュリティの穴をついて侵入し、そこから取引のある大企業へ侵入するという手口が流行っています。それを考えればなるべく早い段階で現状に合ったセキュリティを組み立てたいところですが…。実際のところ、セキュリティに関する体制や予算について企業はどのように考えているのでしょうか?

 

これを見ると、セキュリティに予算を掛けることに理解がないと回答したのは約1020%と、世間は意外とお金をかけてもいいよと考えているようです。ところが、セキュリティ専任の担当者がいないと回答したのは約2030%となっています。お金をかけるより人員を割くことのほうが難しいという状況なのかもしれません。確かに、セキュリティを考えるにはインフラを含めた専門知識が必要になってきますので、そうした人員を確保することが難しいというのはあると思います。

しかも昨今はクラウドサービスを利用するケースが増えていますので、どうしてもサービス提供側にセキュリティ対策を依存してしまうことになります。

 

専門知識を持つ人員を確保できない以上、社内にかかる負担をできるだけ軽減するためには、信頼できる提供元とサービスを利用する必要があります。

 

■テレワークでは、必要なコミュニケーションと機能を過不足なく安全に使いたい

さて、ここまでで機能、コミュニケーション、セキュリティといった面で考えてきました。

テレワーク中は普段より時間がかかるだけで気になったり、コミュニケーションが上手く取れなかったりしますし、それが業務効率に大きく関わってきます。だからこそ、普段の業務と大きな差がないよう、気軽で、簡単に、安心して使えることが大切になってくると思います。

 

今回ご紹介するサービスは、気軽に使えるコミュニケーションツールです。堅牢なセキュリティと、外部サービスとの連携が可能ですが、安価に利用ができます。ぜひご検討ください。

 

テレワーク中の円滑なコミュニケーションに ビジネスチャット「TAGS

 

TAGSは法人向けに特化したコミュニケーションツールで、法人利用に特化しているだけあって、テレワーク中の懸念として挙げられていたセキュリティ面の不安を解消できる仕組みを保有しています。

例えば、キャッシュ、通信、データベースの3段階で暗号化されています。それ以外にもログ管理、ユーザー管理はもちろんのこと、企業ごとに異なるポリシー設定を柔軟に行うことが可能です。そのため、セキュリティに厳しい金融機関や大手新聞社などでも採用されていいます。

 

これだけ堅牢なセキュリティが施されていれば利用料は高額になりそうですが、鈴与シンワートが保有するクラウド基盤上で運用・管理されているため、安価で提供されています。

 

また、業務上欠かすことのできないメールや、スケジューラ、勤怠管理などのツールとの連携用にAPIが用意されているため、企業の利用シーンに合わせられる、可用性の高いビジネスチャットツールとして利用できます。

 

詳しいサービスはこちらのURLからご確認ください。

テレワークを円滑に!コミュニケーションを活発化 | ビジネスチャットTAGS

 

今回もお付き合いいただき、ありがとうございました。

著者プロフィール(菱沼 佑香氏)

IT企業(ソフトウェア開発、セキュリティ、ホスティング)で営業事務、営業、マーケティングを経験。現在はマーケティング会社で取材、撮影、ライターとして主に活動。月刊連載数本。

コラムTOPへ戻る